訪問美容師の契約書|事故・キャンセル・個人情報の決め方【行政書士が解説】
こんにちは。松原市で行政書士をしておりますレガート行政書士事務所の秋月です。
「施設と契約書をかわしたいけれど、何を決めておけばいいのかわからない」
「AIで作ってみたけれど、これで合っているのか不安」
訪問美容師さんから、こんなお声をいただきました。
先日、介護施設などで髪を整える訪問美容師さんの契約書を、一緒につくりました。この記事では、そのときに決めたことを、訪問美容のお仕事に合わせてご紹介します。
訪問美容の契約書で、決めておきたい5つのこと
- 場所や備品は、誰が用意するのか(役割分担)
- 安全のために、何を確認し、何を記録するのか
- お支払いは、誰が、いつ行うのか
- 感染症や災害などで、行けなくなったときの扱い
- 事故、個人情報、写真の扱い
この5つが決まっていないと、何かあったときに「それは誰の責任?」というすれ違いが起きやすくなります。
訪問美容の契約書が大切な理由
訪問美容は、介護施設などに出向いて髪を整えるお仕事です。場所も、道具も、利用者さんも、ふだんのサロンとは違います。
そのため、何かあったときに「誰が、どこまで責任をもつのか」を先に決めておくことが、いちばん大切でした。
訪問美容師さんも、契約書の知識はほとんどない状態からのスタートでした。「何を決めておけばいいのかもわからなかったから、本当に助かった」と言っていただけました。
役割分担と設備は「書き分けて」決める
訪問先では、場所や備品を誰が用意するのかがあいまいになりがちです。そこで、次のように分けて書きました。
- 施設が用意するもの(場所、備品など)
- 美容師さんが持ち込むもの(道具など)
最初に書き分けておけば、当日に「これは、どちらが用意するんでしたっけ?」と困りません。
安全のために決めておくこと
利用者さんの安全を守るため、次のことを決めました。
- 利用者さんの体調を、施設と共有する
- パッチテストを行う
- 施術の記録を残す
「何を、誰が、どこまでやるのか」を書いておくことで、美容師さんも施設も、安心して動けます。
お支払いとキャンセルを決めておく
お支払いは、施設がまとめて、当日にお支払いいただく形にしました。
また、感染症の流行や災害など、どうしようもない事情で伺えなくなったときの扱いも決めておきました。「そのときは、どうなるんだろう」という不安を、先になくしておくためです。
事故・個人情報・写真の扱いも、契約書に入れる
訪問美容では、利用者さんの情報や写真を扱う場面があります。万一の事故のときの対応とあわせて、次のことを決めておきました。
- 事故があったときの、連絡や対応のしかた
- 利用者さんの個人情報の扱い
- 写真を撮ったり、使ったりするときの扱い
「施設と対等なパートナーとして、安心して仕事を続けるための契約書」をめざしました。
契約書だけでは足りないこと:賠償責任保険
契約書で「事故のときは誰がどこまで責任をもつか」を決めても、いざというときに支払えるかどうかは、また別の話です。
そこで、賠償責任保険にきちんと入っておくこともお伝えしました。
- 施術中のケガや肌トラブル
- 施設の備品をこわしてしまったとき
こうした場面のために、契約書で責任の範囲を決め、保険で備えておく。この2つがそろって、はじめて安心して仕事ができます。
契約書の雛形やAIの文章を、そのまま使うときの注意
AIは、下書きや整理にはとても便利です。ただ、「このお仕事なら、ここは外せない」「この書き方だと、かえって不利になる」という判断は、やはり人の目が必要なところです。
訪問美容のお仕事には、安全や個人情報など、そのお仕事ならではの大事なことがあります。ネットの雛形では、こうした部分が抜け落ちてしまうことも。
契約書は、その人の仕事の形をしています。ご自身の仕事に合わせて、一つずつ決めていくことをおすすめします。
よくいただくご質問
- 施設との契約書は、口約束やメールだけではだめですか?
約束は成り立ちますが、あとから「言った、言わない」になりやすいです。事故や支払いなど、大事なことは書面に残しておくのがおすすめです。
- 事故があったとき、責任は美容師が全部負うのですか?
状況によって変わるため、一概には言えません。だからこそ、契約書で「誰が、どこまで」を先に決めておくことが大切です。
- 賠償責任保険に入っていれば、契約書はいりませんか?
いいえ。保険は「支払い」への備えで、契約書は「責任の範囲」をはっきりさせるものです。両方あると安心です。
契約書づくりのご相談について
契約書をつくることは、自分のお仕事の「もしも」を見つめ直すことでもあります。
レガート行政書士事務所では、フリーランスの方向けに、お仕事に合わせた契約書の作成と、手持ちの契約書のチェックをお受けしています。AIで作った契約書や、施設から渡された契約書の確認もできます。
「何から決めたらいいかわからない」という方は、LINE公式アカウントまたはHPの問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。