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相続2026年10月14日

AIで遺産分割協議書を作る前に知っておいてほしいこと|行政書士が見て気になった4つのこと

この記事で分かること

  • AIに指示する「プロンプト」がなぜ大事なのか
  • AIで協議書を作る前に、やっておきたいこと
  • 行政書士が見て気になった4つのこと
  • 税理士・司法書士・行政書士、どこに相談したらいいか

はじめに

先日、友人から連絡がきました。

「AIに聞いて、遺産分割協議書のたたき台を作ってみたんだけど、どうかな?」

あくまでも案の段階だそうで、見てほしいとのことでした。

実際に見てみると、一見きちんとした書類の形にはなっていました。ただ、行政書士の目で見ると、「このままでは使えない」と感じるところがいくつもありました。

AIに指示する「プロンプト」がいちばん大事

AIに何かを作ってもらうとき、いちばん大事なのがプロンプトです。

プロンプトとは、AIに出す「指示」や「質問」のことです。

ふわっとした質問をすると、AIもふわっとした回答になってしまい、中途半端な出来上がりになります。

たとえば、次のような指示だったとします。

  • 父親が亡くなった
  • 母親、長男、長女、次男で話し合った
  • 次男がすべて相続する

これだけだと、AIは書かれていない部分を想像で埋めるしかありません。

遺産分割協議書のような公式な書類をAIで作るときは、慎重にならないといけません。

じゃあ、どう聞けばよかった?

いきなり「遺産分割協議書を作って」と頼むのではなく、順番を変えてみてください。

まず、家族構成や、実際の法律に関する資料(ウェブ)、遺産分割協議書について書かれた文章などを、AIに読ませてみるといいでしょう。

資料は、法務省や裁判所など、公的なサイトのものを選ぶのがおすすめです。個人のブログやまとめサイトには、古い情報や間違いが含まれていることもあります。

そして何より、その前に自分で調べておきたいことがあります。

  • 遺産分割協議書とは何か
  • これを作るために、絶対に外せないものは何か
  • 入れないといけない文面は何か

ここをAIだよりにするのではなく、自分で勉強することが、いちばんの肝になります。

AIが出した内容が合っているかどうかを確かめられるのは、基本を知っている人だけだからです。

実際に見て、行政書士が気になったところ

AIが作った協議書は、一見すると書類の形にはなっていました。ただ、実際に使うとなると、気になる点がいくつもありました。

1つ目は、亡くなった方(被相続人)を特定する情報が足りないことです。

死亡日、本籍、最後の住所などが書かれていないと、誰の相続なのかが特定できず、銀行や法務局での手続きが止まる原因になります。

2つ目は、借金などの債務の扱いが書かれていないことです。

財産のことだけでなく、債務を誰が引き継ぐのかも話し合っておかないと、あとでもめる原因になります。

3つ目は、不動産の書き方です。

土地や建物は、登記事項証明書に書かれている通りに、地番や家屋番号まで正確に書く必要があります。「〇〇市〇〇町」のような書き方では、登記の手続きで受け付けてもらえないことがあります。

4つ目は、家族の状況によって変わる制度は、AIがすべて拾ってくれるわけではないことです。

たとえば、配偶者居住権という制度があります。亡くなった方の配偶者が、そのまま自宅に住み続けられる権利のことです。ただし、相続が始まったときに、その建物に住んでいることが条件になります。

お母さんが施設に入所している場合は、この権利が使えない可能性があります。

こうした制度は、名前は知っていても、使える条件まで知らない方が意外と多いです。

AIは、聞かれたことには答えてくれますが、家族の状況に合わせて「この制度は使えませんよ」「こちらも検討したほうがいいですよ」と、先回りして教えてくれるとは限りません。

だからこそ、AIには全部を網羅することはできない、と知っておいてほしいのです。

もちろん、専門家に聞くのが一番です

AIは、あくまで下書きの道具です。

最後に「この内容で本当に大丈夫か」を確かめるのは、専門家の仕事です。

困りごとによって、相談先は変わります。

  • 相続税が関わりそうなとき:税理士
  • 不動産の名義変更(相続登記):司法書士
  • 相続人の確定や、遺産分割協議書の作成:行政書士

迷ったときは、まず身近な専門家に「これは誰に相談したらいい?」と聞いてみるだけでも大丈夫です。

まとめ

最近はAIがとても便利になったので、AIですべてを解決させようとする人も多いかもしれません。

でも、遺産分割協議書のような大切な書類は、順番が大事です。

  • まずは、AIではなく、自分で制度を調べてみる
  • そのあとに、AIに聞いてみる
  • 聞くときも、しっかりとしたプロンプトの土台をつくる

そして最後は、専門家に確認してもらうと安心です。

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